低侵襲治療とは
体への負担をできるだけ抑えた治療です。従来の手術に比べて小さな切開や、内視鏡などの特殊な器具を使うことで、体へのダメージを減らすことが目的です。これにより、回復が早く、入院期間が短縮され、痛みや合併症のリスクも軽減されます。

低侵襲治療のメリット
回復が早い
従来の手術に比べて、体にかかる負担が少ないため、動物は早く元気になります。
痛みが少ない
切開が小さいので、手術後の痛みが少なく、鎮痛剤の使用量も減ります。
入院期間の短縮
手術後の回復が早く、感染のリスクも最小限になることで、早くに退院できることが多いです。
傷跡が小さい
体に残る傷跡が最小限に抑えられるので、手術の跡が目立ちにくいです。
低侵襲治療を可能にする検査機器

内視鏡
内視鏡は、カメラ付きの細いチューブで、体内の映像を直接モニターに映し出す装置です。口や肛門などの自然の開口部から挿入され主に体内を観察・検査します。また異物除去などを行うことができるため外科手術のような大きな切開を避けることができ、痛みや回復時間が大幅に短縮されます。

腹腔鏡
お腹に小さな穴を2~3箇所開け、そこからカメラ(腹腔鏡)や手術器具を挿入して、体内を直接見ながら手術や検査を行います。避妊手術や腫瘍の摘出などで適応されることが多く、当院でも腹腔鏡を使った避妊去勢手術を行っています。

膀胱鏡
膀胱内を直接見るためのカメラです。外陰部から膀胱に入れて腫瘍を確認(雌犬のみ)したり、通常より小さな傷口で膀胱内にある結石を取り除くことができます。カメラで確認することができるため正確で安全に治療を行うことが可能です。当院の泌尿器科では膀胱鏡を用いた検査が可能です。

関節鏡
関節内をカメラで確認できる機器です。小さな切開で関節の内部を観察し、異常な場所のみを治療することができます。関節の問題に対して負担の少ない治療が可能です。当院の整形外科では関節鏡を用いた検査、治療を行っています。

Cアーム
レントゲンをリアルタイムで映し出す装置です。骨折や結石などの治療中に、体の中の状態を確認しながら正確に治療を進めることができます。リアルタイムで映像を確認できるため、問題の有無を即座に判断でき、手術時間の短縮にもつながります。骨折でプレートやスクリューを設置する際にも、より正確に位置を決定することができます。